iPhoneとPowerViewのモバイルバッテリー、Apple Watch、AirPodsを並べた写真

ポケットに入れたモバイルバッテリーの厚みで、せっかくの薄いスマホのシルエットが台無しになった経験はないだろうか。かばんの中で角がゴツゴツ当たるのも、地味に積み重なるストレスだ。

「PowerView」は、その厚みそのものを見直すところから設計された10,000mAhのモバイルバッテリーだ。半固体電池という技術を採用し、本体の厚さはわずか9.8mm。一般的な10,000mAh級モデルと比べて、最大60%ほど小型化されているという。

挟むだけで25W。ケーブルを探す作業を消す仕組み

PowerViewをスマートフォンにワイヤレスで装着して充電している様子

外出先でスマホの充電が切れかけている。かばんの底でケーブルが絡まっている。そんな数十秒のもたつきを、PowerViewはQi2規格のワイヤレス充電で解決する。スマホに重ねるように置くだけで、最大25Wの給電が始まる仕組みだ。

急いでいるときはUSB-Cケーブルを使えば最大30Wの有線給電にも対応する。しかも本体にはUSB-Cケーブルがあらかじめ内蔵されており、忘れ物の心配がない。ワイヤレスか、有線か。そのときの状況で選べるのは地味に便利だ。

何が便利になるのか

①ポケットの膨らみが変わる。9.8mmという薄さは、スーツの胸ポケットやパンツのポケットに入れたときの違和感の少なさに直結する。かばんの中でも他の荷物の隙間に滑り込ませやすく、「かさばるから持ち歩かない」という選択肢を減らしてくれる。

②「あれ、ケーブルどこだっけ」がなくなる。内蔵ケーブルとワイヤレス充電の組み合わせで、外出前に充電ケーブルを揃える手間そのものが減る。出張や旅行のときの持ち物チェックリストが1行減る、と言えば伝わるだろうか。

③「あと何%」を毎回スマホで確認しなくていい。本体のディスプレイに残量・出力(W)・温度がそのまま表示されるため、スマホの画面をつけずに充電状態を確認できる。ホテルの部屋にコンセントが一つしかないときも、パススルー充電で本体とスマホを同時に充電しながら過ごせる。

今使っているモバイルバッテリーと何が変わるか

スペックの羅列だけでは伝わりにくいので、一般的な10,000mAh級のモバイルバッテリーと並べてみる。

項目よくある10,000mAh級モデルPowerView 10K
厚さ15〜20mm前後が中心9.8mm
ワイヤレス充電非対応、対応でも7.5〜15W程度が多いQi2規格・最大25W
充電ケーブル別途持ち歩く必要ありUSB-Cケーブルを本体に内蔵
残量確認LEDランプで4段階程度数値表示(残量・出力W・温度)
パススルー充電非対応の製品も多い対応
PowerViewとAirPods、Apple Watch、iPhoneを並べた写真

実際に持ち歩くとしたら、これくらいのサイズ感になる。

なぜここまで薄くできたのか──半固体電池という選択

モバイルバッテリーの厚みの多くは、内部のリチウムイオン電池が占めている。液体の電解液を使う一般的なパウチ型のセルは、安全のために一定の余白や保護構造が必要で、それが厚みに跳ね返ってくる。

PowerViewが採用する半固体電池(セミソリッドステート)は、電解液をゲル状に近づけることで電池内部をより密に積層できるとされる技術だ。薄型化だけでなく、発熱時の安定性でも一般的なリチウムイオン電池より有利とされている。本体に温度監視(NTC)機能が搭載されているのも、この電池特性と無関係ではないだろう。

メーカー側は耐久性を示すテストの一環として、車に本体を踏ませる動画も公開している。第三者機関による検証ではないため参考程度にはなるが、「薄い=壊れやすい」という不安に対する一つの回答にはなりそうだ。

開発状況と支援状況

PowerViewは香港拠点のブランドで、今回が初めてのクラウドファンディングプロジェクトだ。この記事の執筆時点で、1,913ドルという控えめな目標金額に対して支援総額は15,000ドルを超え、達成率は800%を超えている。バッカー数は177人。

半固体電池を採用しているため、量産前には電池の安全性試験や航空輸送のための書類準備が必要になるとキャンペーン側も説明している。認証(3C認証など)についても「取得に向けて対応を進めている段階」であり、この記事の執筆時点ですべての認証が完了しているわけではない点は留意しておきたい。初めてのクラウドファンディングということもあり、量産・配送のスケジュールが前後する可能性も念頭に置いておくとよさそうだ。

価格・配送・支援にあたっての注意点

早期割引のリワードには以下のようなプランが用意されている(価格は本記事執筆時点、為替レート1ドル=155円換算の目安)。

プラン価格内容
Launch Special ×1HK$462(約59ドル/目安約9,100円)本体1個・$99の40%OFF
Super Early Bird ×1HK$541(約70ドル/目安約1万850円)本体1個・$99の30%OFF・数量限定
Launch Special ×2HK$854(約109ドル/目安約1万6,900円)本体2個セット
Launch Special ×4HK$1,560(約200ドル/目安約3万1,000円)本体4個セット

配送先は世界各国で日本も対象、配達予定は2026年11月。キャンペーンの締切は2026年10月4日18時11分(日本時間)で、目標金額に達した場合のみ課金されるAll-or-Nothing方式となっている。

クラウドファンディングという性質上、実際の仕様や配送時期は変更される可能性がある。支援を検討する場合は、購入前に必ずKickstarterの公式ページで最新の情報を確認してほしい。

分厚いモバイルバッテリーを鞄の底に沈めて生きてきた人にとって、9.8mmという数字は思った以上に効いてくるかもしれない。