デスクに複数の充電器とケーブルが散乱した使用前と、Vayllotech N8一台にまとまった使用後の比較

ノートパソコン、スマホ、カメラ、携帯ゲーム機、モバイルバッテリー、イヤホン、スマートウォッチ。デスクの上で充電待ちのデバイスが増えるほど、コンセントとACアダプターの数もじわじわ増えていく。

ポート数だけ多いUSBハブを買っても、今度は合計出力が足りずにノートPCだけ充電が遅い。かといって大出力の充電器を選ぶと、今度はケーブルを別に用意しなければならない。結局、祈るような気持ちでポートの組み合わせを毎回考えることになる。

Vayllotech N8は、この「アダプターの数だけ増える散らかり」を、9cm角の1台に集約してしまうデスク用充電ハブだ。

カメラやノートPCと並ぶVayllotech N8本体。内蔵USB-Cケーブルと複数のポートが確認できる

合計590Wを、8つのポートに自動で振り分ける

N8は、内蔵の60cm USB-Cケーブル2本(各65W)に加えて、USB-C×4・USB-A×2の合計8つの出力を備え、ポート単体の定格を合計すると最大590Wに達する。ただし実際に同時に取り出せる電力は、接続した機器の組み合わせによって変わる点は覚えておきたい。

接続された機器がノートPCなのかイヤホンなのかをN8側が判別し、必要な電力を自動で再配分する。高出力を必要とする機器には優先的に電力が回り、消費電力の小さいアクセサリーには必要な分だけが割り当てられるため、ポートの組み合わせ表とにらめっこする必要がない。

何が便利になる?

ノートPC用の高出力ポートを2つ確保できる。USB-C×2ポートがそれぞれ最大140Wに対応しているため、ゲーミングノートやクリエイター向けノートPCを同時に2台つないでも、片方だけ充電が遅くなる心配をしなくていい。

「あのケーブルどこだっけ」がなくなる。内蔵の60cmケーブルを2本備えているので、ノートPCやタブレットを充電するたびにケーブルを探したり、カバンに追加で入れたりする必要がない。使わないときは本体に収納できる。

満充電後、自動で給電を止められる。対応機器であれば、満充電や低電流状態を検知して該当ポートの出力を自動停止できる。この機能は接続ごとにオン/オフを切り替えられるので、待機電力を減らしたいポートと、常時給電しておきたいイヤホンなどのポートを使い分けられる。

今使っているものと、何が変わるか

項目複数のACアダプター運用給電非対応の一般的なUSBハブVayllotech N8
同時充電できる台数アダプターの数しだい3〜4ポート程度が多い最大8台
合計出力アダプターごとにバラバラ数十W程度が多いポート合計で最大590W
ケーブルの持ち運びその都度必要別途用意が必要60cmケーブルを2本内蔵
電力状況の可視化できない非対応の製品が多いディスプレイで表示・アプリ不要
満充電後の自動停止非対応非対応対応(接続ごとにON/OFF可)

モノ好きならではの視点

590Wという数字を9cm角の筐体に収められるのは、GaN(窒化ガリウム)を使った電源部品のおかげだ。GaNは同じ出力でも従来のシリコン素材より発熱・体積を抑えやすいため、近年の大出力充電器の小型化を支えている技術として知られている。N8はそこに温度センサーによる多点監視と内部の空気の流れの最適化を組み合わせ、複数台を同時に高出力で充電しても内部温度が上がりすぎないよう制御しているという。

本体は850gとそれなりの重さがあり、底面には滑り止めも備える。片手でケーブルを引き出したときに本体ごと持ち上がってこないようにするための、地味だが実用的な配慮だ。

開発状況と支援の実績

今回のキャンペーンはAll or Nothing方式で、目標額3,000ドルに対し、現時点で43,025ドル・441人からの支援を集めている(達成率はおよそ1,434%)。開発元のVayllotechにとってはこれが初めてのKickstarterプロジェクトであり、これまでの支援実績を持たない新規の挑戦だという点は、支援を検討するうえで正直に共有しておきたいポイントだ。

開発段階としては、電力配分・温度管理・内蔵ケーブルの耐久性・量産時の品質のばらつきといった項目について、現在エンジニアリングプロトタイプでの検証を進めている段階だと公式ページに明記されている。量産に向けては、初期ロットでの追加検査や、複数段階の品質検証を行う方針も示されている。

価格・配送・注意点

価格はアーリーバード価格が89ドル(MSRP119ドルから25%オフ)、2台セットのSuper Early Bird Duoが129ドル(合計MSRP238ドルから46%オフ)で用意されている。もっとも安価だった69ドルのSuper Early Birdはすでに枠が終了している。配送は全世界対応で、配送予定は2026年12月ごろとされているが、ページ内の表記に幅があるため支援前に最新の配達予定を必ず確認してほしい。

価格には送料・関税・VATが含まれておらず、これらはキャンペーン終了後、発送前に別途請求される。1年間の保証とサポート窓口が用意されている点は安心材料だが、初めてのクラウドファンディングである以上、量産・配送に関するリスクがゼロではないことは踏まえておきたい。