また同じことをしている。旅先で撮った空の写真も、子どもが描いた絵も、いい感じに撮れた自撮りも、フォルダの奥にしまったまま。スマホの中には確かにあるのに、画面を開かなければ、無いのと同じだ。気づけば、いちばん大事にしたいはずのものほど、いちばん見ない場所に眠っている。

TICKEY(ティッキー)は、その写真や思いつきを、バッグにもデスクにも「貼ったまま」にしてくれる、名刺サイズの電子ペーパーカードだ。

電源を切っても、消えない画面

TICKEYの画面は3.7インチのカラー電子ペーパー。スマホで選んだ写真やアート、メモを送ると、画面はその状態のまま固定される。バックライトも常時給電も要らない。まさに「色のついた紙」を持ち歩く感覚に近い。

日差しの下でも画面が白飛びしないのも、紙と同じ電子ペーパーならでは。液晶やOLEDのように、電源が切れた瞬間に真っ暗になる、ということが起きない。

フルカラー電子ペーパーのイメージ
Photo: Kickstarterより引用(製品提供元)

フェイスプレートは、着せ替えできる

本体を買い替えなくても、外側のフェイスプレートだけ交換すれば見た目を変えられる。今日はバッグに合わせて、明日は気分で。同じ端末を、飽きずに長く使うための仕組みだ。

TICKEYのフェイスプレートいろいろ
Photo: Kickstarterより引用(製品提供元)

書き換えは、その場で数秒

専用アプリで、写真を選ぶ。テンプレートを選ぶ。ピクセルアートを描く。あとはBluetooth・Wi-Fi・NFCのどれかでTICKEYに送るだけで、画面はものの数秒で書き換わる。難しい設定はいらない。

ロック画面をいちいち解除して写真アプリを開く手間より、こっちの方が「自分のもの」という感じがする、と思う人もいるはず。

バッグにも、デスクにも、冷蔵庫にも

使い方は一つに決まっていない。TICKEYが提案しているのは、この3つの置き方だ。

バッグに提げれば、日替わりのお守りになる。クリップで留めるだけなので、その日の気分やコーディネートに合わせて、朝の1分で表情を変えられる。

デスクに置けば、常時表示のタスクリマインダーになる。画面を開かなくても、今日やることが視界の端に入り続ける。通知に埋もれて忘れる、ということが起きにくい。

冷蔵庫に貼れば、家族への伝言板になる。天気の一言メモや、買い物リストを貼っておける、電源のいらない小さな掲示板だ。

バッグに付けたTICKEY
Photo: Kickstarterより引用(製品提供元)

スマホの待受画面や、フォトフレームと何が違うのか

「それ、スマホの待受画面でよくない?」という声が聞こえてきそうなので、正直に比較しておく。

スマホの待受画面 一般的なデジタルフォトフレーム TICKEY
見るための動作 画面をロック解除する必要がある 置いた場所でしか見えない 常時表示、動作不要
電源 常時必要 常時必要(コンセント/バッテリー) 更新時以外は不要
持ち運び スマホごと 基本は据え置き クリップでバッグや服に

48色の電子ペーパーは、実はまだ珍しい

電子ペーパーというと、白黒か、せいぜい数色の「電子ペーパー」を思い浮かべる人も多いはず。一般的なカラー電子ペーパーは4色〜6色程度にとどまることが多いが、TICKEYはオープンソースの電子ペーパー開発チームModosとの協業で、48色以上をネイティブに表示できる駆動方式を採用している。リフレッシュ(書き換え)も最速で約3秒と、電子ペーパーとしては速い部類に入る。

ファームウェアはオープンで、ESP32ベースのエコシステム上で動く。開発者向けにはストレージを128MBに拡張した「Developer Edition」も用意されていて、自分でアプリケーションを作り込みたい人にも門戸が開かれている。

実は、クラウドファンディング経験者

開発元のENILINXは、TICKEYが初めてのプロジェクトではない。以前に手がけた「Flexbar」は2,009人から支援を受け、すでに2,400台以上を支援者の手元に届けている。電子ペーパーモニター「Modos Flow」(Crowd Supplyで71万ドル以上を調達)を手がけたModosとの協業も、その延長線上にある。

2026年8月には試作の小ロット生産を完了し、フェイスプレートや筐体カラーの組み合わせをテスト済み。

価格・配送・注意点

Kickstarterでの支援価格は、1個49.9ドル(通常価格から17%オフ)、2個セット89.9ドル、3個セット124.9ドル(いずれも約7,980円〜が目安)。配送先は世界各国に対応しており、送料は届け先によって変動する。日本への具体的な送料は、Kickstarterの決済画面で確認できる。配達予定は2026年11月。

目標額は1,275ドルとごく小さく、すでに41万ドル以上を調達済み(達成率は32,000%超)。All or Nothing方式のため、締切までにこの状態が続けば支援は確定する見込みだが、最終的な確定は締切時点での結果による。

情報源: Kickstarterページ(2026年9月3日時点)。円換算は参考レート(1ドル=160円)による目安。実際の支援価格・送料・発送時期は変動する可能性があるため、支援前に必ず公式ページで確認を。