雨の日の出勤。駅から会社までの数百メートルで、革靴の中はもう湿っている。長靴を履けば履いたで、今度はオフィスで浮く。この「詰んだ二択」に、Makuakeで6,200万円以上を集めてきた大阪のメーカーが新しい答えを出した。
滑りやすく、凹凸だらけの地面。水は容赦なく靴に染み込んでくる。かといって完全防水の長靴は重く、硬く、歩きにくい。
雨具としての防水性能を取るか、日常使いの快適さを取るか――多くの防水シューズは、この二者択一を私たちに強いてきた。「濡れないなら重くて硬くてもいい」という前提そのものが、そもそもおかしいのではないか。
大阪のシューズメーカー・and.more,incが投げかけたのは、そんな問いだった。

「ダイバー」という名前の理由
LanDiver Waveのアッパー(甲の部分)には、ウェットスーツにも使われるネオプレン素材を採用している。水中で体を守る生地を、そのまま地上(Land)に持ち込んだ発想が、そのまま名前になった。
ネオプレンは伸縮性があり、靴自体を軽く柔らかく仕上げられる。重量は1.76ポンド(約800g)。長靴のような「防水だけど動きにくい」靴とは違い、スニーカー感覚で足を入れられる。

生活が変わる3つのポイント
1. 雨の日に「靴のことを考えなくてよくなる」
朝、天気予報を見て靴を選び直す。この小さなストレスから解放される。水たまりも構わず踏める防水性能があれば、通勤路を選ぶ基準は「濡れるかどうか」ではなく「近いかどうか」に戻る。
2. 滑って転ぶ不安が減る
LanDiver Waveのソールは、濡れた路面でのグリップ力を意識して設計されている。雨の日の駅の階段、タイル張りのコンコースなど、革靴やスニーカーだと一瞬ヒヤッとする場所でも、踏ん張りが利きやすい。
3. 脱ぎ履きの手間が減る
紐を結び直す長靴と違い、スリッポンに近い構造で着脱できる。玄関先やオフィスの下駄箱で靴を履き替えるときの、地味な面倒が減る。つま先とかかとには補強も入っており、日常使いでの耐久性にも配慮されている。
長靴・防水スニーカーと何が違うのか
| 一般的なゴム長靴 | 一般的な防水スニーカー | LanDiver Wave | |
|---|---|---|---|
| 防水性 | 高い | 製品差が大きい | ウェットスーツ素材で完全防水を訴求 |
| 重さ・柔らかさ | 重く硬いものが多い | 比較的軽いが防水は限定的 | 約800gと軽量、ネオプレンで柔軟 |
| 脱ぎ履き | 手間がかかるものが多い | 靴紐タイプは手間がかかる | スリッポンに近く着脱しやすい |
| 見た目 | オフィスでは浮きやすい | カジュアル | シンプルなスリッポンシルエット |
Makuakeで6,200万円超――大阪の靴づくりの蓄積
and.more,incは大阪を拠点に、防水・滑りにくい靴の企画開発を続けてきたメーカーだ。「濡れたくない」「滑るのが怖い」「機能的だけど見た目も妥協したくない」という声を積み重ね、日本国内ではすでに複数の防水シューズシリーズを展開している。Makuakeでのこれまでの支援総額は6,200万円を超えるという。
今回のLanDiver Waveは、その知見をベースに改良を重ねた最新モデルであり、Kickstarterを通じて初めて日本国外への展開に挑む。
正直に書いておくと、Kickstarterというプラットフォームでの資金調達自体はand.more,incにとって今回が初めてのプロジェクトだ。Makuakeでの実績はあるものの、Kickstarter経由の海外発送・サポート対応がどれだけスムーズに進むかは、現時点では未知数な部分がある。クリエイター自身も「配送や生産スケジュールで想定外の遅れが起きる可能性がある」とリスクとして明記しており、この点は支援を検討するうえで正直に踏まえておきたい。
価格・配送・注意点
早期割引の「Super Early Bird」は12,870円(参考小売価格19,800円から35%オフ)。取材時点で200個の割当のうち169個が残っている。このほか13,860円の「Early Bird」、14,850円の「Kickstarter Special」、2足セットの「Bundle Pack」(25,740円)などが用意されている。
配送は世界各国に対応。ただし米国向けはDDP(関税込み)で発送される一方、それ以外の国・地域はDDU/DAP、つまり関税・消費税・現地の手数料が配送料に含まれない条件での発送となる。日本での受け取り時に別途、輸入関連の費用が発生する可能性があるため、支援前にKickstarterページで最新の配送条件を確認してほしい。
お届け予定は2027年4月。キャンペーンは2026年10月26日23時59分(日本時間)締切のAll or Nothing方式で、記事執筆時点で目標金額をすでに達成しているが、これはあくまで現時点の状況であり、最終的な成立・お届け時期を確約するものではない。
サイズは13展開。詳細な足入れ感については、キャンペーンページのサイズガイドを事前に確認しておくと安心だ。


