出張のたびにスーツケースに詰め込む「普段着」「部屋着」「運動着」。気づけばシャツだけで3枚、4枚と増えていく。それぞれ役割が違うから減らせない――そう思っていたが、天然素材でその常識に挑んだメーカーが現れた。
平日はオフィス、週末は登山、出張先ではそのままパジャマ代わり。用途ごとに服を持ち替える生活を、私たちは当たり前だと思ってきた。
しかも「機能性」を求めるほど、選択肢は化学繊維に偏っていく。速乾。防臭。ストレッチ。聞こえはいいが、要するにポリエステルやナイロンといったプラスチック由来の生地だ。
ワイオミング発のアウトドアブランドSeadonは、この「機能=化学繊維」という前提そのものに疑問を投げかけた。天然素材のメリノウールだけで、動ける服はつくれないのか。

メリノウールという「答え」
メリノウールは、寒暖差の激しい環境で生きるメリノ種の羊から採れる超極細の天然繊維だ。汗を吸っても濡れた感覚になりにくく、繊維が水分を含んだ状態でも保温力を保つ。だから動いて汗をかいても、止まった瞬間に急激に冷えるということが起きにくい。
さらに天然の防臭性を持ち、呼吸性にも優れる。合成繊維のように「汗のにおいがこもる」ことが少ないため、出張先で同じシャツを2日連続で着る、といった使い方にも向いている。
ただし、Seadonが強調するのは「メリノウールなら何でもいい」わけではないという点だ。繊維の太さ(マイクロン数)、重さ、織り方によって、着心地も得意分野もまったく変わってくる。

生活が変わる3つのポイント
1. 「何着必要か」を考えなくてよくなる
Seadonは用途別に2種類を用意した。TENCEL(ユーカリ由来繊維)をブレンドした「Traveler」は柔らかく肌当たりが良く、そのまま部屋着やパジャマにもなる一枚。一方の「SF100」は17.5マイクロンの極細メリノ100%を150gsmという超軽量で編んだベースレイヤーで、登山やランニングなど負荷の高い動きに向く。日中はSF100で動き、行動後はTravelerに着替える、という使い分けができる。「1枚で全部」ではなく「2枚で十分」という発想だ。
2. 洗濯の手間そのものが減る
メリノウールは他の天然素材に比べて洗濯の頻度自体を減らせるとされる。実際Seadonも、洗うのは「必要なときだけ」でよく、ウール用洗剤を使ったコールド洗い・陰干しを推奨している。出張中にホテルの洗面所で毎晩下着を洗う、という余計な作業から解放される。
3. 荷物そのものが軽くなる
機内持ち込みだけで数日分をまかないたいとき、「何枚あれば足りるか」は地味に大きな悩みだ。汗をかいてもにおいがこもりにくく、乾きも比較的早いメリノシャツなら、着回す前提で持っていく枚数を減らせる。スーツケースの中身がそのまま軽くなる。
化学繊維の速乾シャツと何が違うのか
| 一般的な化学繊維シャツ | Seadon(Traveler / SF100) | |
|---|---|---|
| 素材 | ポリエステル・ナイロン中心 | メリノウール(TENCEL混/100%) |
| 防臭 | コーティング等に依存し持続性に差 | 繊維自体が持つ天然の防臭性 |
| 濡れた時の保温 | 濡れると冷えやすい | 湿った状態でも保温力を維持しやすい |
| 用途分け | シーンごとに買い足しがち | Traveler(普段・移動)/SF100(高強度)の2枚で運用 |
| 洗濯頻度 | こまめな洗濯が前提 | 必要な時だけでよいとされる |
数字はあくまで一般的な化学繊維シャツとの傾向の比較であり、製品ごとの個体差はある。
「動ける服」を追求してきたブランド
Seadonはこれまで10件のプロジェクトを展開し、今回のキャンペーンには380人以上(記事執筆時点)がバックしている。創業者のCarson氏は米国・英国・香港を拠点に、生産期間中は工場に近い香港に滞在しながら生地開発に関わっているという。ランニング、ハイキング、旅――「外にいる時間を増やしたい」という創業者自身の実感から生まれたブランドだ。
Kickstarterには「Project We Love」のバッジもついている。
価格・配送・注意点
最少構成の「Solo Pack」はTravelerまたはSF100を1枚選べて69ドル(参考小売価格110ドルから37%オフ)。2枚セットの「Duo Pack」は129ドル、3枚の「Triple Pack」は179ドルと、まとめるほど1枚あたりの単価は下がっていく。
配送は米国・ドイツ・香港の拠点から行われる予定。米国および一部対象国は送料無料になるが、それ以外の地域は送料が別途かかる。日本など米国・香港・EU圏外への配送では、現地の関税・税金が発生する可能性がある。正確な送料・関税については、支援前に必ずKickstarterページの配送設定で確認してほしい。
お届け予定は2026年11月。キャンペーンは2026年9月24日20時59分(日本時間)締切のAll or Nothing方式で、記事執筆時点ですでに目標金額の1000%を超えて達成しているが、これらはあくまで予定であり確約ではない点に留意したい。
サイズは支援後のアンケートで選べるため、キャンペーン中に確定させる必要はない。


